静岡県伊豆市と慶応大学SFC(湘南藤沢キャンパス)研究所の日印研究・ラボによる教育・研究交流連携事業「XR防災ラボ」が16日、伊豆中学で本格的に始動した。
XR防災ラボは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの技術を生かし、本物のような体験を通して主体的に地域の防災を考え、学ぶ授業だ。
災害時に必要な知識・判断力・チームワークなどを育むのが狙い。少子高齢化に加えて、市外への流出で若者が少なくなっている伊豆市では、災害時に中学生が果たす役割も期待されている。
放課後の時間を使って月3回行われ、この日は希望した生徒9人が参加した。SFCの高根佐知子研究員の指導のもと、生徒はVRゴーグルを装着して臨場感のある映像などを体験し、まずは操作方法などを学んだ。
1年生の鈴木涼介さん(12)は「嫌なことを忘れられるほどのすごい映像だった」と興奮気味に話した。参加した生徒たちは小学生の時、コロナ禍での全国一斉休校を経験している。同じく1年生の公野幹太さん(12)は「学校に行けないときでも、VRゴーグルでみんなと一緒に授業ができると思った」と目を輝かせていた。
今後の授業では、生徒が仮想空間に災害現場や避難所などをつくり、どう逃げて、どう生き延びるか、といったことなどを学ぶという。